Chatbot(チャットボット)とは、Chat(おしゃべり)とRobot(ロボット)を組み合わせて生まれた言葉です。はじめて誕生したのは、1966年と言われています。
名前は「ELIZA(エライザ)」
マサチューセッツ工科大にて、ジョセフ・ワイゼンバウム氏によって開発された
自然言語処理プログラムのひとつです。
それから約60年経ち、私たちを取り巻くチャットボットの世界も進化を遂げてきました。
今日は海外のチャットボットを中心にご紹介していきましょう。
Contents
海外のチャットボットの市場規模とこれから
多くのアプリケーションの開発、需要の増加により、チャットボット市場は増加傾向となっています。その世界市場規模は2020年で推計29億ドル、2026年段階では105億ドルに達すると予測されています。
2019年以降は新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的な流行により、多くの企業が企業の働き方、在り方そのものに影響を与え、日本だけでなく海外においても、リモートコミュニケーションを強化するためにチャットボットを採用した企業も多く存在しました。
2022年にはOpen AI から「Chat GPT」が発表され、公開からわずか2ヶ月で全世界のユーザー数が1億人に達し、チャットボットをはじめ生成AIの世界が一気に拡大していくこの時流の中に、私たちは今生きています。
AIに関しては「生成AI」が今後のAIの領域に大きな影響を与え、これからの数年にわたりこの業界の開発、投資等が進んでいくはずです。
まさにこの記事を書いている2023年9月にも、Amazonが25日(米国時間)、AIスタートアップのAnthropicとの提携を発表しました。投資額は、最大40億ドル(約5,940億円)とのこと、多くの企業がこの分野に注目しています。
海外企業におけるチャットボットの特徴
海外のチャットボットに関する企業は、はじめから世界に目を向け展開を試みます。
もともと多言語化も得意とする言語処理技術。言語の壁を超えて、お客様と企業を繋げることが可能です。
多言語対応
海外の企業やサービスが提供するチャットボットは、複数の言語に対応しています。
国際的な顧客ベースに対応できるため、多言語環境での利用が容易となります。
文化的適応
異なる文化や地域における挨拶、礼儀、コミュニケーションのスタイルに対応し、ユーザーエクスペリエンスを向上させるように設計されています。
国際的な展開
大手テクノロジー企業や国際的なブランドは、チャットボットを国際市場に展開することが一般的です。さまざまな国や地域で顧客サポートや情報提供を行います。
たとえばアップルにもお客様対応窓口がありますが、日本語対応だけでなく各種言語に対応しています。ですが、FAQ(よくある質問)などの情報の根本は共通しています。
どこで誰が聞いても対応できるチャットボットとしての役割を発揮しています。
主にシリコンバレー発の企業がこのAIの世界を担っていますが、グローバルなリーディングカンパニーとして常に顧客対象を世界へと向けています。
海外のチャットボットについて
Watoson(ワトソン)/ IBM
2006年にアメリカのパソコン関連機器を販売する大手企業の「IBM」が作成したAIになります。実際に多くのアプリケーションを持ち、それぞれを組み合わせ横断的な活用を促します。
その中でも「IBM watson Assistant」はチャットボットサービスにあたり、ディープ・ラーニング、機械学習、自然言語処理(NLP)モデルに基づいて構築し、対話型AIを通じて質問を理解し、最適な回答を検索しながらユーザーのサポートを行います。
他にも「Watoson Discovery」はテキスト分析のプラットフォームとなり、機械学習を使用して、テキスト、表、画像を視覚的にラベル付けしながら、最も関連性の高い結果を引き出すことを可能にします。
「IBM watson Assistant」+「Watoson Discovery」とユーザーに合わせて自由自在に組み合わせることによって、企業のニーズに合った開発を進めることが可能となります。
Watsonの導入に関しては高コストであり、カスタマイズには専門知識が必要となりますが、サポート部門の力を借りて導入を検討することも良いかもしれません。
Dailogflow(ダイアログフロー)/Google
DialogflowはGoogleが提供する自然言語処理プラットフォームです。
自然言語処理技術により、ユーザーのテキストや音声入力に対して精度の高い対話を提供することが可能です。
専門的な知識が必要ないので、自社にエンジニアがいなくてもはじめることができるのがDialogflowの強みでもあります。また、Trial Editionは無料で利用することが可能なので、はじめの一歩を悩まれている企業様には喜ばれています。
またAPI連携を用いてWebサイトだけでなく、LINEやSlack、ChatGPTメッセンジャーなどの外部サービスとも連携することができます。今現在使っているサービスにチャットボットを導入することができるのは、企業の負担を減らし、スムーズな導入にも繋げられるはずです。
Chat GPT / Open AI
やはり今年話題の「Chat GPT」にも少し触れておきたいと思います。
Chat GPTはチャットボットではなく「生成AI」と呼ばれるものではありますが、実際には会話のようにやりとりをするインターフェースを持ち合わせていることから、チャットボットと近い感覚を得ている方も多いと思います。
細かくお伝えすると、テキストベースの質問や対話に応答することができる、大規模な言語モデルになります。ChatGPTは、質問応答、テキスト生成、対話生成など、さまざまな自然言語処理タスクに活用できますが、チャットボットとして使用するには、ユーザーインターフェースやシステムとの統合が必要です。
ChatGPT自体はチャットボットではなく、チャットボットの一部として利用されることは今後も増えていきそうです。
Google BARD / Google
「Chat GPT」に話題が集中していますが、他社サービスもスピードを上げて開発に動いています。「Google BARD」は、Googleが開発しているAIチャットボットになります。
Google AIが開発した大規模言語モデルで、テキストとコードの膨大なデータセットでトレーニングされています。テキストを生成し、言語を翻訳し、さまざまな種類のクリエイティブ コンテンツを作成し、有益な方法で質問に答えることができます。
また、複数の回答例を提示してくれる BARDは、一つの質問に対して、それぞれ違う視点からの3つの回答を出してくれます。回答をGoogleサービスにエクスポートをすることができたり、ChatGPTはこの検索と連動しているので、BARDに質問をするとGoogle検索で見つかった情報に基づいて回答をしてくれます。
もちろん開発中ですが、サービスサイトや実際の運用ページに触れていると、間違いのないデータを生み出したいという思いが随所に感じられる言葉選びがされていて大変興味深いです。
2023年9月19日には人工知能(AI)チャットボット「Bard(バード)」をYouTube、Gmail、Googleドライブなどのサービスに統合したと発表され、今話題のサービスのひとつとなっています。
いかがでしたでしょうか?
海外サービスとはいえ、実際には日本にも進出している馴染みのあるサービス名もたくさんあったと思います。
市場規模はこれからも拡大し、チャットボットの世界も「生成AI」や「AIチャットボット」とともにさらにお客様のニーズに応える世界になっていくことでしょう。
お客様のお問合せ対応だけでなく、普段の顧客満足度を高める働きをしたり、社員の教育やナレッジマネジメントなど、企業の情報資産を守る働きもしてくれるのがチャットボットです。使い手によってチャットボットの持つ役割も可能性も変えていくことができます。導入を検討されている企業様には、無料相談を実施しております。
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