コラム

2024年のAI市場の展望や予測

自然言語ラボでも今年も多くのコラムやニュースをお届けして参りました。
AIに関する話題をメインに取り上げるこちらのメディアですが、AIだけでなくDXや企業の取り組みなどにも多く触れてきました。

今回のテーマは「2024年のAI市場の展望・予測」になります。
この時期になると多くのコラムニストやエコノミストの方が来年の展望を書かれていますが、本当に面白いのでぜひググってみてくださいね。

また、数字の情報にてAI市場規模を確認したい際には総務省のHPにレポートが多く掲載されています。定期的に新着レポートが配信されるのでこちらも最新情報を知りたい時にはおすすめです。

ちなみに、2024年のAI市場規模に関しては、世界的に拡大し続けることが予想されています。2022年には、前年比78.4%増の18兆7,148億円まで成長し、2030年まで緩やかな加速度的成長が予測されています。 日本のAIシステム市場規模(支出額)は、2022年に3,883億6,700万円(前年比35.5%増)となっており、今後も成長を続け、2027年には1兆1,034億7,700万円まで拡大すると予測されています。(総務省HP

来年も注目は「生成AI」、時代はマルチモーダルへ

2023年は生成AI元年とも言える1年でした。
もちろん情報漏洩のリスクや正しい情報の精査というところで、足踏みをするシーンも見受けられましたが、大手企業を中心に「ChatGPT」を活用する企業も一気に増えてきました。11月頃からは、毎日ニュースや情報番組でも多く取り上げられ多くの層に広がっていることが印象的でした。

生成AIのひとつ「ChatGPT(チャットジーピーティー、Generative Pre-trained Transformer)」は無料で使えることもあり(もちろん課金も可能!)登録して試しに使った方も多いのではないでしょうか?

生成AIとは「データを解釈するだけでなく、人間が言葉を理解するように理解できる」ことが特徴であり、文章生成や情報収集、リサーチ、文章添削などを得意とします。

「文章生成ができてすごい!」という状況から「この文章生成をした後、どのアプリに接続させ、何を生成するのか」というゴール地点までしっかり描くことが大切です。

生成AIを使うだけでなく「何のために使うのか?」「どの点で実用化を進めるのか?」このあたりを検討しながら、2024年はさらに提供サービスが増えていくと考えられています。

AIで実現するサスティナビリティな経済圏

2024年以降の世界的なデジタルビジネス戦略を予測する「IDC FutureScape: Worldwide Digital Business 2024 Predictions(https://www.idc.com/events/futurescape)」が発表されています。全部で10の予測があるのですが、いくつか興味深いと思ったものを紹介させていただきます。

予測1:2025年までに、企業の35%が、GenAIの使用をマスターしてデジタル製品・サービスを共同開発し、競合企業と比較して収益の伸びが2倍になる

今年、伊藤園のCMでは、生成AIで作ったキャラクターを用いたCMが発表されました。知らずにCMを眺めていたら、新しい女優さんが起用されたのかと思いますよね。

発売されたペットボトルも同じく生成AIを活用して画像生成を行い、そこにデザイナーの手が加わり誕生したものなんです。

発売当初、通常の1.6倍の売上となり市場へのインパクトを与えました。これから先まだまだ生成AIを活用した製品開発が進んでいきそうです。

予測2:2026年までに、GenAIやその他の主要なデジタルイニシアチブからのデータの急増により、G2000組織の25%が、CAO(Chief AI Officer)の役割を経営幹部に導入または昇格させることになる

生成AIを活用できる人材がこれからさらに重宝されます。生成AIの技術が伸びる中でも止められる人材は、生成AIの活用だけでなく、企業全体のDXを見守る重要な立場になります。CEO、CFOだけでなく、CAOを置くような企業が増えていくはずです。

2023年12月7日、株式会社日立製作所は、全社AIトランスフォーメーションの推進強化に向け、「Chief AI Transformation Officer」を新設され3名のCAOが迎えられました。(日本経済新聞

予測3:2026年までに、企業の40%が、先進のアナリティクスとAIの適用を通じて、デジタルビジネスの成果に直接結びつく新しいKPIを開発する

顧客の購買予測、開発に関する分析、リスク管理など、商品開発の現場においてもAIを用いて、よりスピーディーに開発を進め、市場にリリースしたあともAIを用いて分析を行い、改善修正を行うことができます。

また、生産性向上にも用いられます。現段階でも多くの製造業、製造ラインにはデジタル化が進んでいますが、多くのデータを収集分析を可能とし、事前に起こりうるリスクマネージメントや製品の欠陥等を検出することを可能とします。

予測4:2026年までに、ナレッジワーカーの90%が、AIによってワークフローの一部が拡張されると考えられ、その結果、組織は次の時代のデジタルビジネスに向けて全従業員の再教育が必要になる

企業のDXにおいて、新しい仕事に役立つスキルや知識の習得を目的に、学習やトレーニングを行う取り組み「リスキリング」の重要性が高まっています。特にAIに関するリスキリングに関する需要は高く、年齢関係なく今すぐにでも学ぶべきコンテンツとなっています。

ナレッジワーカーの90%と記載がありますが、実際には多くの業種でAI化が進んでいくのは間違いがなく、現場で求められるスキルのひとつになります。10年かからないうちに、ワードやエクセルを使うのと同じようにAIを使いこなす能力が求められるのではと思います。

AIは人の仕事を奪うのか?

AI技術は加速度的に発展しており、機械学習やディープラーニングの進歩により、従来では考えられなかった複雑なタスクを実行できるようになったのも事実です。しかしながら、AIはあくまでツールであり、人間の指示やデータに基づいて機能するものだということを忘れてはいけません。

また、AIが人の仕事を奪うという観点ではなく、人とAIが共存しさらに反映する可能性を創造していくことも大切です。今のところ突然仕事がなくなるということが生じるわけではありませんが、AIを使うのが当たり前の世の中になるのは、今のところ間違いないと予測される中で、自分自身がどの立ち位置でAIを使いこなすのかは見極めが必要になります。

人にしかできないこと、他者とのすり合わせ、コミュニケーション、経験値など、数値やAIでは推し量れないものがたくさんあります。

これからも加速していく2024年のAI市場をぜひ一緒に体感して参りましょう。

今年も1年間、ありがとうございました。

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