コラム

カスタマーサービス最前線

ビジネスシーンにおいてカスタマーサービスは顧客の満足度やロイヤリティを向上させ、企業の価値を高める重要な要素の1つです。

そのカスタマーサービスですが、近年AIなどのテクノロジーの急速な進化やグローバル市場の拡大により大きく進化してきています。

そこで、今回はカスタマーサービスの最前線ではどのような革命が起こっているのかについてご紹介したいと思います。

カスタマーサービスとは?

カスタマーサービスとは商品を購入する時や問い合わせ時のコールセンターでの対応やトラブル対応など、顧客と企業をつなぐ役割を果たすサービスのことです。

顧客対応が良好であれば、例えトラブルがあったとしても企業に対する信頼は高まります。

ですが、どんなに商品が良くても対応が悪く、顧客に嫌な思いをさせてしまうと企業に対する信頼は低下してしまいます。

そのため、カスタマーサービスは企業価値を高めるためにも重要な施策です。

またカスタマーサービスは単純な顧客対応だけでなく、顧客のニーズを理解し期待に応える必要があるため、幅広い役割が求められていて、近年その重要性はますます高まっています。

カスタマーサービス最前線

カスタマーサービスは顧客の期待に応えるために日々進化し続けています。

では、カスタマーサービスの最前線ではどのようなサービスが提供されているのでしょうか?

①AI搭載チャットボット

AI搭載のチャットボットとは、顧客の質問に24時間365日対応でリアルタイムに回答することができる対話型のAIです。

従来のチャットボットは質問をあらかじめ登録しておき、その質問に回答が紐付いている一問一答形式でした。そのため、もし質問の言い回しが設定したシナリオと違ってしまうと正しい回答が導き出せないという問題を抱えていました。

一方AI搭載のチャットボットは顧客によって言い回しが違っても正しい回答をすることが可能です。

AI搭載のチャットボットを導入するメリットは「お問い合わせ業務を自動化できる」ことです。

これまで、コールセンターやお問い合わせメールへの対応などは全て人力で顧客対応をしていました。しかし、問い合わせの約70%は「よくある質問」に記載される定型の内容と言われています。

AI搭載のチャットボットを導入することで企業側は業務負担軽減に繋がり、顧客側は迅速に情報を得ることができるようになるのです。

例えば、ベルズシステムのAIチャットボットの「Roanna(ロアンナ)」はNSU(Natural Sentence Understanding)によって開発され、自然な質問に回答することができます。

そのため、どうしても似たような問い合わせが多くなってしまいがちな自治体専用の人工知能としてロアンナが入庁しお問い合わせ対応業務を自動化することに貢献しています。

②パーソナライズドなサポート

私たちの日常生活の中にも、購入履歴や閲覧履歴に基づいたサービスや製品が提案されていることを実感している方が多いのではないでしょうか。

顧客個人のニーズや履歴に合わせてカスタマイズされたパーソナライズドなサポートも近年のカスタマーサービスの特徴の1つです。

今までのサポートは個人に対する解像度が低いために一人ひとりに対応したものではない場合が多く、より深いニーズを汲み取ることはできませんでした。

しかし顧客のデータを蓄積することで、個人のニーズや履歴、好みに合わせたパーソナライズドなサポートを実現することができました。

例えば、Amazonでは顧客の購入履歴や閲覧履歴を基に、関連する商品を推薦します。

また、動画配信サイトのNetflixでは視聴履歴や評価を基におすすめの映画や番組を表示してくれます。

このように、知らず知らずのうちに私たちの行動はデータ化されてより個人にあった提案がされるようになってきています。

③リモートサポート

今まではコールセンターなどの拠点に出勤し、電話やメールでお客様対応をするという形式が一般的でした。しかし、コロナ禍によりリモートワークが普及しインターネットの高速化・安定化したことによりリモートサポートがどんどん充実しています。

例えば、楽天カードのチャットサポートではリアルタイムで画面を通じてスタッフと繋がることができるので、顧客の質問や問い合わせに迅速な対応をすることが可能です。

また、ビデオ通話でのサポートを提供している企業もあり、製品やサービスの紹介も気軽にオンラインですることができるようになりました。

リモートサポートの充実により、顧客が直接店舗やオフィスに足を運ばなくてもサービスを受けることができるというメリットがあります。

一方、まだまだオンラインにおける非接触サポートは発展途上であることも事実です。

例えば、インターネットの接続が個人の契約によって低速で動画サポートに対応できないことや、高齢者だけのご家庭の場合パソコン操作が苦手な方もいることもあります。

そのため、誰でも簡単に利用できるリモートサービスの実現のためには、さらなるスタッフの研修、顧客の教育など課題を解決していく必要があります。

④セルフサービス

カスタマーサポートのセルフサービスとは、顧客自身が情報をリサーチし問題を解決するためのツールやリソースを提供するサービスのことです。

従来は、企業側がお客様窓口を設けてスタッフがマニュアルを参照しながら対応することが一般的でした。しかし今、顧客自身で問題解決できるようサポートすることも企業に求められています。

顧客が最もよく問い合わせる質問と答えをリストアップしてウェブサイト上にFAQのページを作成することや、顧客同士が意見交換をできる掲示板やコミュニティフォーラムを開設することなどの取り組みが行われています。

例えば、MicrosoftではWindowsやOfficeなどの製品に関するFAQが充実し、顧客同士が情報や解決策を共有できる「Microsoft Community」というフォーラムを提供しています。

最近ではAI搭載のチャットボットと連携し顧客自身が自分自身で問題を解決できない場合でも、適切なページを案内してもらえるようになり、今後ますますセルフサービスの充実が期待されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

カスタマーサービスは、テクノロジーの進化とともにますます発展してより利用しやすいものへと変化しています。

また、顧客も質の良いサービスに触れる機会が増えるため、カスタマーサービスに高いレベルを求めるようになっています。

企業は最高のサービスを提供するためにも、最新技術や方法を取り入れながら顧客の声に耳を傾け深いニーズを理解することが重要です。

これからのカスタマーサービスの進化にぜひ注目してみてください。

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